アッコー

アッコーはハイファ湾の北端に位置する古都で、その歴史はカナン人の時代にまで遡り、19世紀にベイルート、ハイフアにその地位を譲るまでは、パレスチナ随一の港町であった。

今もマリーナがあり、漁船が停留して漁をしている。

アッコーが最も繁栄したのは1112世紀、十字軍の時代である。1104年、十字軍の手に落ちたアッコーは、イタリアのジェノバ、ピサ、ベニスとを結ぶ交易都市として栄え、1187年のエルサレム陥落後は、エルサレム王国(十字軍の王国)の首都となるも、その後、マムルーク朝、オスマン朝の支配を受けるなど、征服者が訪れては去っていった。

アッコーの見どころは、城壁と海岸線に囲まれた旧市街に凝縮しており、十字軍地下都市、十字軍の教会跡に建てられたエルジャッザール・モスク、隊商宿など中世から近代にかけての史跡が豊富に残されている。

レバノン国境にも近いこの町は、イスラエルの中にあってもアラブ人が多く住み、キリストの生誕地として知られるナザレと同様、ユダヤ化が感じられないイスラエルである。