ポツダム
12日目の午後、いよいよ最終目的地のベルリンも間近に迫り、その南西郊外にあるポツダムに入りました。ドレスデンからは約3時間かかりました。
ここポツダムは、フリードリヒ大王を初めプロイセン王国の王侯たちが建てた数々の宮殿に往時の栄華を偲ばせるかつての宮廷都市です。
東西統一後の現在は新たに生まれた東部5州のひとつブランデンブルク州の州都で、ハーフェル川と湖水に囲まれた美しい町ですが、ポツダムといえば、年配の人なら誰もがあのポツダム宣言を思い起こしますよね。観光はまずその場所から始まりました。
ツェツィーリェンホーフ城
なんか舌を噛みそうな名前ですが、1945年のポツダム会談はまさにここで行われたのです。
城といっても、イギリスの蔦の絡んだカントリー・ハウス的な木骨の建物で、もともとはウィルヘルム皇太子とその妃ツェツィーリーのために1917年に建てた狩猟の館だそうです。
内部には会談の行われた部屋や首脳国の執務室などが当時のまま残されているほか、会談の際の写真や、証文などが展示されていて、とても興味をそそられました。
左下写真は、左からチャーチル、トルーマン、スターリンのスリー・ショットです。この写真を見て、いったいスターリンは英語がしゃべれたのだろうか、と余計な心配をしてしまいました。
中央写真はまさにポツダム会談の行われている情景で、ここで日本の戦後処理が話し合われたのかと、感慨深いものがありました。
右写真はソヴィエト代表団の執務室です。今から見るとかなりシンプルな感じですね。
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サンスーシー新宮殿
次いで、旧市街の西側に広がる290haもの広大なサンスーシー公園を訪れ、公園内にある数々の建築物の中でも最大の規模を誇る新宮殿を見学しました。
実は、公園内にはそれ以前に建てられたサンスーシー宮殿が別にあるので、それと区別するため、ここを単に新宮殿と呼んでいるようです。
ここは、フリードリヒ大王が1769年に公園の西端に建てたもので、前面が240mもの幅をもつ大宮殿です。外観は後期バロック様式の荘厳華麗な建物で、外壁を飾る彫刻の数は実に428にも及ぶとか。
また約200もの部屋を有する内部は、大理石の間(左下写真)や絵画室(中央写真)を初め、ロココ調に統一された豪華絢爛な装飾にあふれ、パリ郊外のヴェルサイユ宮殿にも匹敵するほどで、いい目の保養になりました。
右下写真は、やはり建物内にある、ドイツ・ロココ劇場の傑作といわれる宮廷劇場で、今では一般向けのオペラなどの上演に使われているそうです。
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この日の夕刻、ベルリンに向かいました。約30分の行程でした。