カンダリヤ・マハデーヴア寺院

 

カジュラホ中心街の西側には、1011世紀に建てられた壮麗なヒンドゥー教寺院が、建築美を競うように立ち並んでいる。

その中で最も大規模なのが、このカンダリヤ・マハデーヴア寺院で、高さは40mを超え、内部にも外壁にも神々や天女たちの像、男女合歓像が無数に彫られている。

マハデーヴアとはシヴァ神のことで、幾重にも重なるシカラ()で屋根を造り、奥の本殿部分に行くほど高くなっているのはヒンドゥー教の聖地ヒマラヤの峰々の連なりを表現しているらしい。

なお、右隣に見えるのは、最もエロティックな寺院といわれるデーヴィー・ジャガダンバー寺院で、ここでも外壁の上層部が無数の男女合歓像で埋め尽くされている。

一体なぜ、ヒンドゥー教寺院の装飾に、こんな刺激的かつ具体的な形で男女合歓像を彫り込んで行ったのか------。それは、イスラム教の影響を受ける前までのヒンドゥー教では、女性が創造の源であり、性に対するタブーも一切なく、それゆえ世俗の営みを魅力的で親しみやすく描くことで、民衆を教化する術としていたからとのこと。

以下、その奔放かつ伸々とした姿から、かつて中部インドを治めていた大王朝の栄華に思いを馳せていただければ幸いである。( 拡大不可で申し訳ありません )