クトゥブ・ミナール

 

これは、市の中心部から南へ約14kmのところにある、デリーに残る遺跡の中でも最も古い時代に属する塔だそうです。

12世紀末にこの地を征服し、最初のイスラム教徒の王朝を開いたクトゥブッディン・アイバク王が戦勝の記念として建てたものとか。しかしアイバクが建てたのは第1層部分だけで、残りは彼の養子アール・タット・ミシュ王によって完成された由。

塔は5層からなり、全体の高さは72.5mに及び、これはインドに現存する石造建造物では最も高いとのこと。第1層はヒンドゥー様式、第23層はイスラム様式で、これらは赤砂岩で造られています。第45層は倒壊したため後の時代に立て直されたもので、大理石造りになっています。

塔の手前の中庭には、高さ7.2mの鉄柱が立っていますが、これはA.D.5世紀頃にどこか別の場所で造られ、ここに運ばれてきたものだといわれています。純度の高い鉄でできており、なぜその時代にそんな高度な技術が可能だったのか、また、なぜ1500年以上も腐食せずに立っているのかは、未だ謎だそうです。