第2日目
(8月23日)
7時05分起床。13階のレストランで和洋折衷のバイキングの朝食をとる。
ここで昨夜遅くメインのグループとともに到着した添乗員Sさんの自己紹介を受ける。黒柳徹子に似た聡明そうな、感じのよい25歳前後の女性である。
一たん自室に戻った後、支度もそこそこにロビーに下り、8時45分、専用バスに乗り込み、いよいよ観光ツアーへの出発である。
ガイドは昨夜のリン君ではなく、ちょっと役所広司に似た甘いマスクの自称26歳の現地人男性。もっとも他の人に言わせると似てないとのことだったが、私には直感的にそう感じられた。
最初に訪れたところは、ボタニカル・ガーデン(植物園)。
住宅街タングリン地区にあるこの植物園は80エーカーもあり、東南アジアの植物研究所となっていて、様様な植物の品質改良の研究をしており、マレーシアのゴム産業の開発に寄与している由。
小鳥が飛び交う園内には、3000種以上の植物と、5万種の植物見本があると言われる。
確かに広大な園内に椰子を初め熱帯の草木が所狭しと繁茂しており、まったく原生林の中を歩いているような錯覚に陥ったほどた。
時間は短かったものの、熱帯地帯に身を置いた感慨に十分浸ることができた。
次に案内されたのは、ワイングラスやジョッキなどの錫製品を製造販売している専門店。もとより高級品とあって、興味なし。
ここでひょっこり昨夜のガイドのリン君に出会う。何となく当店が観光ルートに入っている謂れが分かるような気がする。
すぐ隣が更紗の専門店になっていて、民族色の強い、手描きの素晴らしい模様の生地が並んでいた。誰に上げても喜ばれると思い、小ぶりのハンカチを値引き交渉の末、16枚、60S$で購入する。
次にバスを降りたところは、海抜115.5m の小高い丘になっているマウント・フェーバー。
ここからはシンガポール港や南方に点在する島々を一望でき、一方、目覚しい発展を続ける市街地や住宅地を眼下に見渡せた。
ここで立ち売りの土産物屋にしつこく付きまとわれ、最初は無視していたものの、あまりの熱心さに根負けし、財布を数点買ってしまう。安いことは安かったが…
次に訪れたのは香港でもその名が知られるタイガー・バーム・ガーデン。
胡文虎とい大富豪によって1939年に造られたもので、面積約33,000uにも及ぶ庭園内には、死後の世界を描写する人形など極彩色の彫刻が所狭しと飾られている。
香港のものよりも規模が大きく、変化に富んでいるように思う。
ネプチューンという店で飲茶の昼食後、マレーシア領はジョホール・バールへと向かう。
たった1200mの橋を渡るだけなのに、国境を越えることになるので、出国続きのため並ばなければならず、時間がもったいない気がする。
マレーシア側の国境際に公衆電話機があったので、写真に収める。
プッシュ式で、なかなかスマートだ。恐らくは日本からの輸入品であろうか。
ジョホール・バールでは、壮大な敷地を誇るサルタン王宮をバックに記念の写真に収まった後、庭園内を散策し、次いで白亜のモスク、アブ・バカール寺院へ。
いずれも優美なイスラム様式を見事にとどめる堂々たる建造物だ。近代的なビルの林立するシンガポールから来ただけにひときわエキゾチックに感じる。
この間、日本語の巧みな若い女性のガイドさんがつき、よい雰囲気であった。
再び国境を通ってシンガポールへ。
まずは国花ランがあでやかに咲き誇るマンダイ蘭園に降り立つ。
斜面を利用して数百万本もの蘭が栽培されており、その美しさはまさに圧巻であった。
続いては、宝石・貴金属類を加工販売しているパン・シンガポール・ジェムへ。
1階にはお手頃価格の製品、2階には高級品を置いている。妻は父の土産に何か買ったようだが、自分は目の保養のみ。
次いで本日の行程の最後の場所、とあるスーパーストア。土産物屋ではないのに、日本人と見てか、女店員が商品を勧めに寄ってくる。逃げ回っていたが、熱心さにほだされて、つい買ってしまう。
ホテルへの帰路、ガイドが「皆さんは、シンガポールへ何回行きましたか、と聞かれたら、2回行きました、と答えてください。一遍マレーシアに出て、また入ってきたんですから…」と言ったのには笑わされた。
17時30分、ホテルに帰着。しばし自室で疲れを癒す。
18時55分、バスで再び出発。夕食のためハイアット・リージェンシー・ホテルへと向かう。
プール際での民族舞踊などのショーを見物しながら、ヨーロッパスタイルのバイキング料理を楽しむ。
ステーキをたらふく食べ、おかげで腹がきつくなる。
ショーもカラフルで結構楽しめた。最後には観客も引き込んでの踊りとなり、やんやの喝采であった。
20時50分、再帰着。シャワーを浴び、テレビを見て、22時40分就寝。