パ リ(2)
8日目の朝、パリから西22kmの郊外にあるヴェルサイユ宮殿に向かいました。
ここも3度目になるので、よほどパスして他へ往こうかと思いましたが、妻が初めてなので、やむなく(?)付き合うことにしました。
ヴェルサイユ宮殿
ヴェルサイユ宮殿(仏:Château
de Versailles) は、1682年、フランス王ルイ14世(1638年-1715年 在位1643年-1715年)が建てた宮殿です。
主な部分の設計はマンサールとル・ブランによっておこなわれ、庭園はル・ノートルによって造営されたバロック建築の代表作で、豪華な建物と、神話や寓話に基づく見事な彫像をそこかしこに配しつつ幾何学的に設計された広大な美しい庭園には目を奪われます。
ヴェルサイユ宮殿は、民衆だけではなく貴族の反乱にも苦しんだルイ14世が、政情に不安があるパリから遷都し、且つ貴族の反乱防止のため、貴族を王の目の届く一ヶ所に住まわせるために建造した宮殿で、そのため、フランス絶対王政の象徴的建造物ともいわれます。
ただし、この宮殿が実際に宮殿として使われた期間は30年余りと非常に短く、1715年のルイ14世の死後、後を継いだルイ15世は、すぐに宮殿をパリに戻し、以後は1789年のフランス革命まで王の離宮として使われたとか。
8時35分、宮殿に到着し、まずは広大な庭園を散策後、9時30分から約1時間半に亘って宮殿内部を見学しました。
3度目ともなると、初めて来たときのような驚きこそありませんが、豪華絢爛たる17〜18世紀の文化の精髄を集めたその造りには、やはり溜息を禁じ得ませんでした。
写真撮影は、ノンフラッシュならすべてOKでした。光量不足からあまりよく撮れませんでしたが、そのうちの数点を連続写真でご覧ください。
ノートルダム寺院
ヴェルサイユから再びパリ市内に戻って、セーヌ河畔のレストランで昼食後、自由行動となったので、まずは歩いてすぐのところにあるノートルダム寺院を観光しました。
この寺院は、1163年に着工、1345年に完成した初期ゴシック建築の最高傑作といわれます。
ノートル・ダム(Notre-Dame)とは「我らの・貴婦人」を意味し、言わば、聖母マリアに捧げられた教会です。したがって、この名前は一般的で、同じ名前を冠した教会は他の地域にもありますが、今ではやはり、単にノートルダム寺院といえば、ここを指すようです。
正面には「聖母マリア」「最後の審判」「聖アンナ」の3つの門があり、キリスト降誕から最後の審判までの聖書物語と聖母マリアに関連する彫刻が施されています。
内部は高さ33mという壮大な空間になっており、祭壇前からの眺めた3つの大きなバラ窓のステンドグラスは素晴らしいものでした。
オペラ座
さて、ノートルダム寺院をあとに最寄の駅から地下鉄に乗り、オペラ座前で下車、しばらく買物に付き合ったあと、映画「オペラ座の怪人」で有名なオペラ座に入り、内部を見学しました。
オペラ座は1875年に完成した大理石とブロンズを用いた豪華な劇場で、設計者の名をつけオペラ・ガルニエと呼ばれています。
外観および内装はネオ・バロック様式の典型と言われ、たくさんの彫刻を飾り華美な装飾を施した豪華絢爛たるものです。また建材には当時、最新の素材とされていた鉄を使用。これによって従来不可能とされていた、巨大な空間を確保することに成功しました。2167の座席が5階に配分されており、観客収容規模でも当時最大の劇場でした。
なお、1989年には新しいオペラ劇場としてオペラ・バスティーユ(Opéra Bastille)が完成したため、以来こちらでは、バレエと小規模オペラ、管弦楽コンサートを中心とした運用が行われていますが、やはり単にオペラ座といえば、伝統あるこちらのオペラ座を指すようです。
ただ入るだけで一人8フラン(約1260円)はちょっと高い気がしましたが、ここは自分にとっても初めてなので、入ってみることにしました。
確かに天井から吊り下げられたシャンデリアやそこかしこに配された彫刻の類は緻密かつ豪華で見応えあるものでしたが、残念ながら、全体的に暗く、写真撮影もノンフラッシュに限られたため、内部の様子をご紹介するには不向きな状態でした。