第9〜10日目
アテネ → 成田(アテネ市内)
(11月30日)
5時30分起床。とうとう観光最終日である。6時25分から急ぎ朝食後、帰国の準備を整え、ロビーへ。
スルーガイドのKさん、アテネ以外ではこれまでずっと我々と一緒のホテルに泊まってきたが、昨夜はご主人のいる自宅に帰ったとみえ、今朝は血色もよく輝いている、と皆に冷やかされていた。
7時42分、ツアーバスにてアテネ市内の観光に出発。
数分後、最初の見学場所オリンピック・スタジアムに着く。
ここは言わずと知れた1896年に第1回近代オリンピックの開かれたところである。
折角来た記念にと、1周400mを試走。2、3人の奥様方も釣られて走った。(右写真)
次いで訪れたのは大統領官邸。
ここは1949年に王政が廃止されるまでは王宮だったところ。
門前には若い衛兵が身じろぎもせず立っていた。
ミーハーの虫が動き、並んでカメラに収まる。
シンタグマ広場を経由し、8時44分、フィロパポスの丘の麓で下車。丘を登り、記念碑のところまで歩く。
ここはアクロポリスの眺めが絶好の場所だ。が、残念ながら、上空には霧が立ちこめていたので、眺望はいまひとつだった。
ともかくベストビューということでアクロポリスにカメラを向ける。(右写真)
アクロポリスをバックに全員の集合写真を撮った後、400mほど東に進み、アクロポリスの入口に到着。1500ドラクマの半券を手に遺跡構内に入場する。
まず最初は、丘の下にあるオデオンの音楽堂(左写真)を見下ろし、説明を受ける。
AD161年に建てられたもので、現在でも夏には劇場並びにコンサートホールとして使用されているとか。
収容人員約5000人の野外円形劇場だが、以前は木の屋根で覆われていたそうだ。
日本の平幹二郎がここでギリシア古典劇を熱演したことがある由。彼方の丘には、先ほど訪れたフィロパポスの記念碑が見えた。
この階段の上からは、旧市街(オールド・アゴラ)全体と、そこから広がるアテネの下町が見渡せる。
眼下の森には、ギリシアの神殿の中でも一番原形をとどめていると言われるヘファイストス神殿が緑に囲まれて優美な姿を見せていた。
さて、アクロポリスで一番高いところにあるのが、かの有名なパルテノン神殿。(左写真)
BC5世紀に建てられ、現在までトルコ軍の砲撃などで相当破壊されているにもかかわらず、この神殿の前に立つと、その類い希なる壮麗な造りに誰しも賞賛と畏敬の念に駆られてしまうというのもうなずける。
シーズンオフで人がまばらなのも、ゆっくり観賞できてよかった。
そばに建っているエレクティオン神殿もまた見事なもので、特に高度な彫刻技術を駆使した6人の女神柱が何とも言えぬ魅力を引き出している。(右写真)
出口に降りたところで、ツアー仲間のK夫妻と会い、立ち話。来月はまたオーロラを見にアラスカへ行かれるとか。羨ましい。
10時50分、近くの「DIOGENES CAFE RESTAURANT」に入り、早めの昼食となる。
メニュは、前菜がスパゲティ、トマトとキャベツのサラダ、主菜が肉団子にライスで、デザートにオレンジ、キーゥイ、バナナ、洋梨がでた。
飲み物は独身のS氏が、シャンペンとワインをご馳走してくれ、4人で最後の乾杯となる。
12時15分、出発。帰路につく。道は空港へ向かう車で3車線一杯のラッシュだ。
12時41分、アテネ東空港に到着。ドライバーのピーター氏に別れを告げ、各自スーツケースを持ち、空港内へ。
13時05分、世話になったガイドのKさんに礼を言って別れ、出国管理窓口へ。次いで手荷物、身体検査の後、免税店を覗く。
昨日ホテルの売店で買った装飾瓶入りのウゾ酒が遙かに安い値段で売られているのを知り、がっくり。ともあれ、余ったドラクマでジャムを買う。
13時30分、9番ゲート前の待合室へ。座席番号1〜20は前部入口から、21〜は後部入口から入るようにとの放送あり。10分後、シャトルバスにて搭乗機に向かい、機体のそばに並べられた荷物の中から、自分のスーツケースを指さし確認後、搭乗。(LH3749便)
座席は21Eなので、Aから順に数えて座ったら、何とそこはF席だった。なぜかC,H,Iの各席は抜けていた。
13時53分離陸。14時過ぎ昼食のサーブがあったが、もう地上で済ませてあるので、パスし、ビールだけをもらう。同行の後ろのご婦人からつまみの差し入れがあった。
その後ティーをもらって飲んだ後、いつの間にかまどろむ。
15時50分、アルプスが見頃とのアナウンスの声に目覚め、前方右の窓側の席に移り、眼下の景色を観賞する。頂上付近に雪を戴いた山脈が連なり、その間にも所々に雪があり、川の蛇行する模様もくっきりと見えた。
小型飛行機が軌跡を描いて斜め左を後方にクロスして行ったと思ったら、今度は別の小型機が右前方を斜めに横切って行った。フランクフルト空港着陸まであと40分との放送あり。
程なく添乗員のYさんがツアー参加者名簿への住所等掲載可否について聴きに来る。別に秘密にする必要もないので、OKする。
16時20分、降下始まる。耳栓していても耳がかなり痛む。右下方に飛行船が2機見えた。
15時42分(ギリシア時間16時42分)、霧の中をフラントフルト空港に着陸。シャトルバスで空港ビルへ。
乗り継ぎの搭乗券を受け取った後、手荷物・身体検査場へ。ここではウエストバッグの中身まで調べられた。
38番ゲート前の待合室に入ると、アナウンスあり。搭乗前に自分の荷物を係官に告げること、さもないと、そのまま荷物はここに残されることになる由。
やがて搭乗開始のアナウンスがあったが、行列は一向に進まず、業を煮やして一旦椅子に戻って行列がなくなるのを待つ。雨が降ったとみえ、地面が濡れていた。
16時38分搭乗。46G席なれど、窓際の45J席が空いていたのでそちらに移る。
毛布の配布に続き、イヤホーンを受け取り、次いで一日遅れの朝日の朝刊を取る。
機長の挨拶後、17時08分離陸。成田までノンストップで10時間45分とのこと。
程なく機内サービスのアナウンスに続き、飲み物のサーブが始まり、ウイスキーをもらう。
次いで夕食のサーブ。どうにか食べられたが半分ほど残す。
夕食後トイレに立ち、歯を磨き、耳栓し、3座席を使用して横になるも寝付けず。やむなく元通りに座り直したが、知らぬうちに眠りに落ちた。
(12月1日)
8時45分(ドイツ時間(0時45分)、目覚めると、明るくなっていた。しばらくして窓覆いを開けてみると、部分積雪地帯の上空だった。どの辺だろうか。
10時過ぎ、飲み物のサーブに続いて、朝食が供される。パン2個に、チーズとベーコン、フランクフルト、スクランブルエッグ、それにクリームほかのデザートであった。更にコーヒーをもらう。
11時ころ添乗員のYさんが席に来てあと1時間ほどで成田に着くが、飛行機を降りたら荷物受取所に集合してほしい由。
11時57分、無事成田空港に着陸。入国手続きを経て、荷物を受け取り、個々に挨拶を交わし、12時30分以降流れ解散となる。
税関を通過し、スーツケースを託送業者に委託し、12時46分、京成成田空港を出発。15時30分に帰宅した。
以上、長々と拙い文章で綴って参りましたが、この旅日記が少しでもお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき有難うございました。、