8日目
(4月3日)

 チチェン・イツアー

朝食後、ホテルを7時30分に出発、メリダから120km東にあるチチェン・イツアー遺跡へと向かう。

途中、人口3,300のパンチョビージャ村という小村で、麻に似た植物エネケンの工場を見学し、チチェン・イツアー遺跡に着いたのは9時40分であった。

ここは広漠としたサバンナの中にあるマヤ後古典期とマヤ・トルテカ期(948〜1204年)の文明が融合した最大の遺跡として知られるところとか。ピラミッドを始め、巨大な建築物が立ち並び、さながら壮大な宇宙のドラマを見る思いであった。

この雄大な遺跡を、高層の墓、尼僧院、教会、サウナ、カラコル(天文台)、千本柱の間、戦士の神殿、金星の台座、聖なるセノーテ(天然の泉)、球戯場、ジャガーの神殿、処刑場、わしとジャガーの台座、カスティージョ(ピラミッド)の順に、3時間近くかけて巡った。
 以下にそのうちの主なものをご紹介する。

 カラコルというスペイン語でカタツムリを意味するこの建物は、2層の円形の塔を持ち、精緻な観測が行われた天文台であったと考えられている。
 ちなみに、マヤ暦によると、1年は365.242日で、現代の天文学による数字と17.28秒しか違わないそうである。 なんと正確であったことか!

この建物は戦士の神殿で、中央高原にあるトルテか文明の都・トゥーラの神殿と類似することで知られるマヤ・トルテカ期のもの。
 3層の基壇の上には、チャクモール(
横たわった姿の人体像で、供物を神の元に運ぶ使者と解釈されている)の石像とククルカン(中央高原の羽毛のある蛇)を模った石柱が立っている。

 

 

 

 神秘な静けさをたたえ、水面までの深さ20m、直径66mの天然の泉・聖なるセノーテ
 マヤ人たちはこの泉に、女子や子供を生きたまま投げ込み、神に雨や農作物の豊かな実りを祈願したと伝えられている。

 後年、実際に泉の底の調査により人骨や黄金細工が出土したことから、この伝説が事実であったと裏付けられた由。
 そもそもチチェン・イツアとは、井戸のほとりの水の魔術師という意味だそうで、ここを中心に栄えたことを物語っている。

 スペイン語で白を意味するピラミッド型の神殿で、ククルカンのピラミッドとも呼ばれるマヤ・トルテカ期の代表的な建造物。
 高さ23m、底辺の一辺が55mの端麗な姿は、数ある古代メキシコのピラミッドのなかでも、最も美しいものの一つとか。
 ちなみに、4面の階段は91段ずつで、これに神殿の祭壇を加えると合計365段になり、1年の日数に一致する。また9層の基壇が階段で2分されて18となっているが、これは暦の1年の月数(1ヶ月は20日)を表しているという。。

 

 

 さて、遺跡付近のレストランにて、民族舞踊を見ながらビュッフェの昼食を楽しんだ後、ユカタン半島突端のリゾート地カンクンへ向かう。

 

 途中、時差調整のため時計の針を1時間進めた後、ドルフィン・ビーチという海岸で写真ストップ。
 初めて見るカリブ海の青さに驚嘆する。それに4月になったばかりというのに、海水浴を楽しんでいる人も多数おり、彼方にはこれから行くカンクンのホテル群が見られた。

 

 この後、1720分、カンクンのホテルに到着。食券を渡され、以後の行動は自由となったので、土産を物色がてら付近を散策し、1940分、ホテルに戻り、入浴後、身だしなみを整え、一人レストランで寂しくビュッフェの夕食をとり、本日の日程を終えた。

 

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