12日目

(/9)

ヤズド → イスファハン

 

朝8時にホテルを出発、まずは昨日の夕方に引き続き、ヤズド市内の観光に向かう。

 

20分ほどで着いたところは、ヤズド市南のはずれにある荒野の只中に聳え立つ沈黙の塔

これはゾロアスター教徒の遺体を葬る鳥葬(風葬)の場として実際に使われていた岩山の塔で、50説明: 説明: yazd4ほどの小高い丘の上に建つ。

塔の内部は、直径10mくらいの円形の壁で囲まれたシンプルなスペースで、石造りの外壁は泥で塗り固められている。

外壁の高さは現在は3mくらいであるが当時はこの3倍くらいあったそうで、囲壁の中心部には半径2〜3mの穴があり、その周囲は石畳の床のようになっている。

遺体はまず石畳のところに寝かされ、鳥葬が行われた後、穴に入れられたという。

鳥は目など柔らかいところから食べるが、左目を先に食べられた人は天国へ、右目が先の人は地獄へ落ちたと信じられていたそうだ。

その後、1930年代にレザー・シャーが鳥葬を禁止したため、現在はゾロアスター教徒もイスラム教徒も土葬になっている由。

また、丘の上からは遠方にヤズドの町も望め、人里離れた荒野の雰囲気を味わうことができた。

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実は、ここへ登るのに私を含め3人はとても危ない目にあう。

というのは、殆どの人はガイドについて安全なルートを登ったが、我々3人は手近なルートを登ったため、頂上手前で岩壁に遮られてしまい、戻るのも癪なので、そのほぼ垂直に近い岩壁を5mほどよじ登った次第。今考えると危険なことをしたものだと思う。

 

ヤズド市の中心部に戻り、次に訪れたところはマスジェデ・ジャーメ(金曜日のモスク)

 

説明: 説明: yazd8ここはササン朝時代のゾロアスター教寺院の跡地に、1415世紀にかけて建造されたヤズドのシンボル的存在の寺院で、イランで最も高いという尖塔は建造された当時のままに現存し、空高く点を突き刺すさまはまさに圧巻であった。

説明: 説明: yazd9正面入口やドームのタイルワークも素晴らしく、イスラム建築の傑作といわれているのもむべなるかなと感じた。

 

内部の雰囲気も荘厳そのもので、メッカに向かって祈る敬虔な女性の姿も見られた。

 

 

以上で、ヤズドの観光は終わり、9時55分、一路イスファハンへと向かう。

 

下の写真は、いずれも途中で立ち寄ったサファビー朝時代(17世紀)キャラバンサライ(隊商宿)で、砂漠地帯で乾燥しているためか、ほぼ原型をとどめている。

内部は中庭を取り囲むように各部屋が並んでおり、じっと眺めていると、かつてここに駱駝とともに宿泊し、過酷な一日の旅の疲れを癒した隊商の人々の姿が髣髴してきた。

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その後、ナインという街のかつての隊商宿を改造した、その名もキャラバンサライというレストランで昼食をとり、更にバスに揺られること2時間弱、15時過ぎにやっとイスファハンの町に入る。

 

イスファハンは、イラン最大の川サーヤンデ川の中流に位置し、イランの真珠とも讃えられた美しい古都で、かつてはサファビー朝(15001722)の首都として「世界の半分」といわれたほど隆盛を極めた由。

 

まずは市民の憩いの場所ハージュ橋で下車し、観光に入る。

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ハージュ橋は、1666年完成の長さ132m、幅12m、上下に通路のある二重構造になっていて、上層部中央には、かつて夏の夜仁王がしばしば宴を催したというテラスが設けられている。

一方、下層部はサーヤンデ川の水量を調節する水門の役割を果たしていたという。

本日は金曜日で、イランの休日に当たるため、多くの人で賑わっていた。

 

次いで訪れたところは、マスジェデ・ジャーメ(金曜日のモスク)

午前中はヤズドでも同名の寺院を観光したが、金曜日はイスラム教徒にとっては休日に当たるため、同名の寺院は至る所の都市に存在するようだ。

 

説明: 説明: esfahan2ここは8世紀創建のイスファハン最古の寺院といわれる。

一度焼失したが、現存するもののうちの大部分は1214世紀に再建されたものとか。その後も増改築を繰り返したため、様々な建築様式が随所に見られ、建築に造詣の深い人にとっては垂涎のスポットであろう。

広大な敷地にそびえ立つメナーレ(尖塔)も迫力があり(下左)、一方、回廊部分は、まるで12世紀に迷い込んだような重厚な造りで、アーチが連続する不思議な空間をつくり出している。(下中央)

また、西門に向かって右側の部屋にある漆喰造りの見事なメフラープ(メッカの方向を示す窪み)メンハル(階段式説教壇)はイランが誇る美術品とのこと。(下右)

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1735分、市内のホテルに入り、連泊に備えて旅装を解いた後、ホテル内レストランにて夕食をとり、本日の日程を終えた。

なお、夕食には添乗員が自ら厨房に入って茹でたソーメンも供され、久しぶりの日本の味にみな大感激だった。

 

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