第8日目
(4/5)
マシャド → テヘラン
今日も朝から雨また雨。こんなにも降り続けられると気分も滅入りがちだが、気を取り直し、10時10分、ホテルを出発、マシャド市内の観光に向かう。
ここマシャドはイランを含む近隣諸国のシーア派にとってサウジアラビアのメッカに次ぐ重要な聖地といわれる町。
まずは広大な敷地に宗教施設の複合体を包むハラメ・モタッハル広場(ハラム)へと向かう。
そのハラムの中心をなすのがイマーム・レザーの霊廟で、黄金のドームの中に棺があるという。
ここは8代目イマームであるレザーが817年にこの場所で殉教したことから、レザーのために造られた廟とのこと。
内部撮影は一切禁じられているので、やむなく雨の中、バスから降り、外観の写真のみを撮った後、カメラをバスの中に残し、男女別の入口からそれぞれ厳重なボディ・チェックを受けて入場する。女性は気の毒にも、普通のスカーフだけではだめで、ガイドが用意した専用のチャドル着用を課せられる。
広大な中庭へ出て、美しいタイルの装飾を鑑賞後、まずは外国人専用案内所へ。我々異教徒には限られた場所しか見られないので、ここでビデオによりレザーの棺が置かれている場所の様子や霊廟の歴史などを鑑賞した後、次いで別棟の博物館に案内され、各時代の貨幣や絵画、世界の切手類、各種のタイルや装飾品などを見たが、非イスラムの我々にとっては特筆すべきものはなかった。
ハラムを後に一旦ホテルに戻り昼食をとった後、本日テヘランのホテルに入るのが深夜になるのを見越し、2時間ほど各自の部屋にて休憩する。
16時08分、チェックアウトし、ハラムの東にあるバザール、バーザーレ・レザーへ。
マシャドは宗教の街だけに地元の人というより巡礼客らしき人が多く、並んでいる商品も、タスビーフ(数珠)、ゲブレ・ナマー(メッカの方向を示す磁石)、モフル(礼拝のとき床において額をつける石)などの聖地ならではの土産物類が目立つ。
また2階には宝石を削っている作業場が幾つもあり、見慣れないだけに面白い光景であった。
次いで、案内されたのは、とあるチャーイ・ハーネ(喫茶店)。マシャドでは有名な店ということで結構洒落ており、それにオレンジ、お菓子つきで紅茶セットが8000レアル(約120円)とはいかにも安く、ちょっぴり得した気分であった。
相客にマシャド大学の学生グループ(左写真)がいて、ちょっとした国際交流の場となり、楽しいひと時であった。
建築学を学んでいる学生というこ話だったが、彼らもここで日本人観光客に会うのは非常に珍しいことであつたに違いない。
さて、我々が喫茶店で休んでいる間、ガイドは今夜の夕食場所をいろいろと物色していたようだが、知っている店は開店時間が遅かったり、あるいはクローズしていたりで、結局はチェックアウトしたはずのホテルに舞い戻っての夕食となってしまう。
夕食後はホテルを再々出発、空港から国内便で午前0時ちょうどにテヘラン・メヘラバード空港に戻り、再び初日に泊まったホテルに入ったのは、午前1時10分であった。