ハン・ミュンデン
5日目の午後はハン・ミュンデンの観光です。ゲッティンゲンからは約40分の行程でした。
ハン・ミュンデンは、豊かな緑と清冽な川の流れがつくりだした、箱庭のように可愛らしく、まるでメルヘンのように美しい、夢のような町です。
そして、この町の最大の見ものは、戦災から完全に守りぬかれた華麗な木骨組みの家々でしょう。
静かな川の流れにくっきりと影を落とす古風な家々の赤い屋根、前面に露出した大きな太い梁や脇柱には至るところ美しい刻字や彩色が施され、時には大変装飾的な出窓やバルコニーの付いた家も見られます。
こうして、古く美しいものを頑なに守り続けている町、それがハン・ミュンデンでした。
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なお、この町を有名にしたのは、やぶ医者として名高いドクター・アイゼンバールで、この人は伝説的存在ですが、実はれっきとした実在の人物だそうです。
随分と思い切った手術を施したこと、そのために街頭や群集の前でかなり派手に患者を募ったことなどから、野師的な存在とされ、果てはやぶ医者の代名詞になってしまったとか。
1663年にバイエルン州のフィーヒタッハで生まれ、各地を転々とした後、1727年にここハン・ミュンデンで死んだそうですが、彼が住んでいた家が今も残っており、その像は2階の窓の前に突っ立って今も通行人を揶揄するように見下ろしています。
この日の夕方、ハン・ミュンデンを後にメルヘン街道を1時間ほど南下し、カッセルの町に入りました。