レオン
オビエドから南下すること1時間半あまり、19時45分、9日目の宿泊地 レオン のホテルに着きました。
ここは、かつてのレオン王国の首都でしたが、今は人口13万の小さな地方都市。レオンが最高の栄華を誇ったのは、サンチャゴ巡礼道時代で、現代に残る主要なモニュメントはその時代に建設されたものとか。
旧サン・マルコス修道院
ルネサンス様式でプラテレスコのファサードが美しいこの荘厳な建物は、1515年から建設が始まり、当初は巡礼者用の救護院として、後に改造されて巡礼者に治療とともに安らぎを与える場として修道院兼病院となりましたが、現在その一部がホテルに改装され、国営のホテル(パラドール)のひとつ、「ホテル・サン・マルコス」に変身しています。
偶々、我々の宿が当ホテルだったこともあり、到着早々、部屋に荷物を置いた後、もう閉館時間だからと断られたのを、せめて回廊だけでもと拝み倒して、旧修道院内に入り、見せてもらいました。
上部が半円形の窓が規則正しく連なる回廊は、16〜18世紀の建造で、いかにも修道院らしい厳粛な雰囲気を醸し出していました。
翌7月3日、午前中はレオン市内観光です。まずは天井に 美しいロマネスクのフレスコ画をもつサン・イシドロ教会に向かいました。
この教会は、7世紀に活躍したセビリャの大司教・聖イシドロ司教の遺骨を納めるために1063年に建設されたもので、霊廟は創建当初の姿を今に伝えているとか。
天井のフレスコ画は12世紀のもので、新約聖書と狩猟に題材をとっていますが、その保存状態の良さには驚かされました。なお、聖イシドロの遺骨は祭壇にある銀製の器に納められている由。
大聖堂
次いで、ステンドグラスの美しい大聖堂を見学しました。
こちらは13世紀後半の創建ですが、外観が非常に統一感があるフランス風の趣味が濃い、ゴシック建築の極致ともいわれる優雅な構成になっており、一方、内部は延1700uに及ぶステンドグラスは空間に華麗な雰囲気を醸し出しています。
特に正面入口の上にある円形のバラ窓、交差廊、祭壇裏手の後陣にあるステンドグラスの美しさには目を奪われました。
主祭壇のレターブル(衝立)は、15世紀の作で、当時流行していた国際様式の一例とか。「キリスト降架」などの宗教画が描かれています。なお、祭壇足元には銀製遺物箱が見られますが、ここにはレオンの守護聖人・聖フロイランの聖遺物が納められているとか。
また回廊のアーケードは非常に手の込んだ造りになっていますが、これは16世紀増設時のものだそうです。
これにて、レオンの観光を終え、再びサン・イシドロ教会前に戻り、トイレ休憩後、次の目的地アストルガに向かいました。