サンティアーナ・デル・マル
16時50分、我々を乗せたツアーバスは、サンティアーナ・デル・マルという小さな村に着きました。
まずはホテルにチェックイン後、直ちに徒歩にて観光に出ました。
ここは、過去の世界へ完全にスリップ、中世そのままのときが流れている美しい山村で、村全体が国の文化財に指定されています。
ご覧のように建物のほとんどが15世紀から18世紀のもので、中世独特の石畳の道と合わせ、まるでそれ以後は時がぴたりと止まってしまっているかのように感じました。
また、13世紀にアルフォンソ8世がここを直轄領としたため、貴族らは競ってここに別邸を造った由。したがって、ここには由緒ある貴族の家が沢山残っています。
どれも昔のつつましさはそのままですが、正面入口には貴族の紋章を麗々しく掲げてあって一目でそれと分かるようになっています。
村の人口は4000足らずで、村の端から端まで歩いて15分もかからないという小さな村ですが、散策中、おしゃまな表情を向ける乳母車の幼女、無邪気な笑顔の女児たち、客待ち顔の道端の肖像画家、所在なげに我々を見つめる若い女性、談笑しつつ道行くご婦人など、いずれも絵になる光景でした。
散策の途中、2箇所ほど入場見学しました。
司教区美術館
これは16世紀に建てられた聖クララ会の女子修道院の建物が修復され、美術館となっているもので、庶民的な宗教芸術作品が展示されており、降架後のキリスト像などがユニークで印象的でした。
参事会教会
村の一番奥にある12世紀に建てられたロマネスク様式の建物で、どっしりとした構えは城郭を思わせるほどですが、内部のひっそりとした回廊にあるミニチュアまがいの精巧に刻まれた柱頭飾りが素晴らしく、ここに聖者の業績が石を使ってビジュアルに表現されているのに目を奪われました。
また、内陣にある祭壇画は、色褪せしているものの、かえって伝統を伝える貴重なものと感じられました。
19時、ホテルに帰着し、7日目の観光日程を終了しました。