タウール

 

 タウールには、ポイからバスに乗ること5分足らずで着きました。

ここタウールは、標高2000mの高地にある人口わずか100人足らずのひっそりと佇む山村ですが、ピレネーの雄大な景観を背にして立つ、ロマネスク様式ではスペイン一美しいといわれるサン・クレメンテ教会を始め、趣を同じくするサンタ・マリア教会、両教会祭壇上のフレスコ画など、まさにカタルーニャ・ロマネスクの結晶であり、この村が「ピレネーの宝石」とも呼ばれるのも首肯でき、美術愛好家には垂涎の地と申せましょう。

こののどかな村を75分かけて、両教会の見学を含め、散策し、村人たちとの触れ合いを楽しみました。

サン・クレメンテ教会の外観と祭壇

サンタ・マリア教会の外観と祭壇

1123年の建造。すらりとした鐘楼は遠くからでも目立つ。その6層のアーチがロマネスク様式の後陣に載りかかっている。祭壇上のキリストを描いたフレスコ画はコピーで、剥がされた本物はバルセロナのカタルーニャ美術館にある。

 サン・クレメンテ教会と同じく12世紀のロマネスク様式による建造で、外観・内部とも似通っている。十字架上のイエスでないのが時代を感じさせる。ここのフレスコ画もやはりコピーで、剥がされた本物はバルセロナのカタルーニャ美術館にある。

 

村人たちとの触れ合い

 

こんな小さな鄙びた村にもホテル(TRES CORONES)はあり、その厳つい外観ながら内部では従業員の温かいもてなしで遅い昼食をとった後、サン・キルセ礼拝堂に立ち寄りました。崖の淵に立つ、物置小屋かと見違えかねない粗末な石造りの小さな建物ですが、ここは修道士の修行と祈りの場であるとか。残念ながら中には入れませんでしたが、12世紀の趣をよく伝える外観でした。

この辺りからの景色は素晴らしいものがあり、眼下に見える集落はエウ・ラバルという町だとか。

 

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