第3日目
(6月27日)
(グダニスク→オリーバ→グダニスク→トルン)
朝食後、ホテルを8時04分に出発、グダニスク市内観光に向かいました。
グダニスクは人口約35万で、1000年の歴史をもつ古い町。古くからバルト海沿岸の港湾都市として栄え、13〜14世紀にはハンザ同盟の一員として繁栄を誇った由。
第2次大戦時の独ソの激戦で市街地の90%が焦土と化しましたが、戦後市民たちの努力により今では完全に復元されています。
1989年にポーランドを民主化に導いたワレサ大統領の自主管理労組「連帯」もこの町から始まったといいます。
ローカルガイドのバーバラさんの案内で、旧市街際で下車、モトワヴァ運河にかかる橋を渡り、緑の門(ジェロナ・プラマ)を皮切りに、徒歩にて旧市街の観光に入りました。
以下、主なものを下の写真でご紹介しましょう。
左端は、15世紀の木造クレーン(大車輪の中に12人入り回すと4トンの重さを27mまで上げることができたといわれる)で、世界的にも希少価値のあるものだそうです。このクレーンは1番最初の風景写真の中央やや右の長方形の建物内に収容されています。
次は、グタニスクで一番趣きのある通りといわれるマリアッカ通りで、中央突き当たりに見えるのが、聖母マリア教会(1342年〜160年かけ建立)で、レンガ造りの教会としては世界最大とか。内部には2万人収容でき、塔の高さは80mにも及びます。最初の風景写真の中央に見えるのもこの教会です。。
3番目は、旧市街のへそに当たるドゥウーギ広場で、中世貴族たちの住居が軒を連ね格調高いムードが広がっている一方、名産の琥珀を売る露天商やカフェが並んでいるところです。中央にそびえるのが、ゴシック様式の尖塔(82m)が見事な旧市庁舎で、これは1370年に着工され、1561年に完成した由。拡大していただくと分かりますが、旧市庁舎の足元に噴水が見えます。それが右端のネプチューンの噴水で、1633年に造られたものとか。海上交通の要として栄えた町だけに、そのシンボルも海神になっているんですね。
さて、一旦ホテルに戻ってトイレ休憩後、郊外のオリーバに向かい、オリーバ大聖堂を見学しました。
このオリーバ大聖堂の歴史は1108年まで遡るとか。まずこの場所に僧院が建設され、1178年になって木造の教会が建てられ、その後13世紀に入ってロシア人の手で改装されたり、火災で焼失したりしましたが、14世紀になって現在見られるような2本の尖塔を持つゴシック様式の美しい姿に改装された由。
この大聖堂の中にあるパイプオルガンには725本もの大小さまざまなパイプが使用され、かつ仕掛けや美しい装飾も施されており、1755年には「世界で最も美しい音色のオルガン」に認定されたという記録があるそうです。
たまたま演奏中に入場することができ、その重厚かつ柔らかな音色にしばし心を洗われた気分に浸れたのは実にラッキーでした。
その後、再びグダニスクの町にとって返し、しばし自由時間が与えられたので、旧市庁舎の塔に登ってみることにしました。
入り口で3ズウォティ(約100円)を払い、螺旋状の階段を登ること約3分、思ったより早く展望台に着きました。ここからの眺めは最高でした。眼下のドゥウーギ広場はもちろん、旧市街からバルト海まで見事な景色に見とれました。
ツアー客20人のうちここへ来たのは私を含めたったの3人でした。町全体を見渡す絶好の場所だというのに惜しいことですよね。
右の写真がドゥウーギ広場を見下ろした風景です。どうぞ拡大してじっくりご覧ください。
旧市街のレストランで昼食後、一路南下し、次の観光地トルンへ向かいました。
大平原の中を2時間ほど走ってスヴィェチェという村のドライブインで小休止後、更に一面の麦畑を左右に見ながら進みました。
バスの中でガイドのノヴァック氏が簡単なポーランド語を教えてくれました。それによると、おはよう、こんにちは、にあたるのが「ジンドブリ」で、ありがとうが「ジエンクヤン」とか。
やがてヴィスワ川を渡ると、左手にジャガイモ畑が広がってきました。ポテトと麦は多種類にわたり、ポーランドの最も重要な農産物だそうです。
トルンには16時30分にコペルニクス大学前に到着。直ちにローカルガイドのロクサナールさんの案内で旧市街の観光が始まりました。
トルンが歴史に登場し始めたのは13世紀頃からで、北バルト海で産出された琥珀を、ワルシャワやクラクフへ輸送する街道の途中に位置しているため、貿易中継都市として栄えた由。人口は約21万。
中世時に城壁で囲まれていたヴィスワ川沿いの旧市街は1997年に世界文化遺産に登録されたそうです。
またこの町は、地動説を唱えた有名な天文学者ミコワイ・コペルニクスの生誕地としても知られています。
(この写真は画質が悪く、拡大不可です。ご了承ください)
以下、主な見どころをご紹介しましょう。
左端の写真は旧市街広場で、中央にそそり立つ威風堂々のゴシック様式の建物は14世紀建造の旧市庁舎です。幾たびかの戦火にさらされ、特色ある塔と屋根も、18世紀初頭のスエーデン軍の砲火の犠牲になったとか。
この写真、拡大していただくとわかりますが、下にはコペルニクスの像があり、待ち合わせのいい目印になっているようです。なお、後方に見える建物は19世紀建造の聖霊教会です。
2番目は14世紀後半創建の聖母マリア教会で、旧市庁舎よりも大きく荘厳な威容を誇る典型的なゴシック様式の建物です。
3番目は同教会の内部です。ちょうどミサ中でしたので、邪魔にならないように見学しましたが、14世紀の華麗なゴシック風壁画やステンドグラスは見事なものでした。
右端の写真、建物が右に傾いて見えませんか。これは倉庫ということですが、イタリアの有名なピサの斜塔に倣ってトルンの斜塔と呼ばれているようです。
以上のほか、19世紀の郵便局、コペルニクスの生家、13世紀の城壁、14世紀の門、聖ヨハネ大聖堂(トルン最古の教会)、船員の門などを観光し、市内のホテルに入って夕食をとり、この日の日程を終えました。