第3日目
(3月30日)
5時、隣室の話し声で目が覚める。ドアで続き部屋になっているせいだろうか。ともかくも出発前から続いていた下痢が治まったのはうれしい。久しぶりに空腹感を覚える。もう大丈夫だろう。
さて、ヨーロッパでは本日からサマータイム実施ということなので、時計の針を1時間進ませる。これで日本との時間差は7時間となる。
7時55分、チェックアウト。カードキーは連続使用するとのことで返す。西欧では安全性への配慮から、カードキーは使い捨てで、殆どのホテルでは返却を求めないが、中欧では、まだまだ安全性よりも経済性重視なのか、と納得する。
ツアーバスに揺られること1時間15分、カルスト地方にあるポストイナ鍾乳洞に到着。10時の開場まで約40分、付近で時間をつぶした後、他の観光客とともに入場しました。
この鍾乳洞は、6000もの鍾乳洞が集まるといわれるカルスト地方のなかで、最も大きく、長さが27kmもあるとか。
まずはトロッコ電車に乗って奥へ進むこと約2km、その後は徒歩で約1km、ヴェリカ・ゴーラ(大きな山)、レーペ・ヤーメ(美しい洞窟)、洞内で一番大きな空間のコンサートホールなど、この鍾乳洞の中でも最も美しい部分を、各国語別のグループに分かれ、ガイドに従って観光しました。残念ながら、日本語のガイドはないため、我々は英語のグループに入りました。
洞内の温度は約10°でしたが、それほど寒さは感じませんでした。ちなみにこの温度は観光客の増加とともに、年々上昇しているそうです。
右の写真は、ブリリアント(輝き)と名づけられ、最も美しい鍾乳石として、この鍾乳洞のシンボルになっている由。
以上、見応え満点の洞内ツアーでありました。
なお、この鍾乳洞は、ヨーロッパでは最大で、世界でも3番目とのことですが、そうすると世界一はどこにあるのでしょうか。一説によると、アメリカのケンタッキー州にある、その名もマンモス・ケーブというのが世界一だそうですが、これには異論もあるようです。
ちなみに、アジア最大は中国の本渓水洞だそうで、ここへは私も数年前に参りましたが、成る程と肯けるくらい巨大なものでした。
さて、ポストイナ鍾乳洞を後に、走ること約50分、国境を越え、クロアチアに入りました。国境越えはスロベニア側、クロアチア側ともドライバーが寸時言葉で対応しただけの実に簡単なものでした。このあたり、チトー大統領時代はひとつの国であったという慣わしからでしょうか。
ここで我々はトイレ休憩を兼ね、クロアチア観光に備え、現地通貨に両替をしました。
国境を後に、1時間半ほど行ったところにある中世からのリゾート地オバティアという町で遅い昼食をとった後、更に行くこと20分あまり、クロアチア最大の貿易港リエカに到着しました。
まずは女性の現地ガイドの案内で、ルネッサンス様式の建築物が残る旧市街を観光しましたが、ガイドが日本人に対応するのは初めてだったようで、歴史的背景がわかっていることを前提に話すため、添乗員さんも通訳に戸惑っていました。
次いで丘の上にあるローマ時代の要塞、トルサト城跡に行き、眼下に広がる港と市街を一望しましたが、逆光のため眺めはいまひとつでした。
上の写真で、左2枚は、いずれも旧市街の門を撮ったものです。拡大していただければお分かりですが、いずれもローマ時代の門がその後に造られた建物に組み込まれております。こうして歴史的遺産を大事に保存しているんですね。
右2枚は、トルサト城跡およびその付近からの眺めで、左は旧市街を、右は港を撮ったものです。
いずれも画質が悪いので、拡大不可ですが、お許しください。
この日は、ここでの観光が意外に手間どり、リエカを出発したのが17時30分と遅かったため、次の観光地、プリトビチェ湖群国立公園内のホテルに着いたのが20時20分、夕食を終えたのは22時近くになっていました。