第4日目
(1月15日)
アブ・シンベル
早朝の便で、空路アブ・シンべルへ。
アブ・シンベルは、カイロの南、約1150kmのエジプト最南端に位置する古代遺跡である。
アスワン・ハイダムの建設に伴い、遺跡は水没してしまうところを、ユネスコの救済事業で現在の地にそっくり移築されたと聞く。
アブ・シンベル空港には1時間半ほどで着き、直ちに乗り合いバスで遺跡に向かう。
ラムセス2世大神殿、後ろからまわって正面に出たとき、4体の像の巨大さに目を見張った。
右写真で、中央下にいる人間の姿と比べてみれば、いかに大きいかお分かりになろう。
なんと像の高さは20mもあるとのこと。
中に入るとまず大列柱室があり、オシリス神の姿をした高さ10mのラムセス2世の立像8体で構成されている。(下写真左)
両側の壁にはカデシュの壮大な戦闘場面が描かれており、奥の前室には王妃ネフェルタリの見事なレリーフがあった。(右写真)
また最奥の至聖所には、アモン、ラー、プタハの3神と並んで、ここにも神格化されたラムセス2世の像が見られた。(中央写真)
一方、ラムセス2世大神殿のすぐ傍にあるのがハトホル神殿。(左写真)
これはラムセス2世が王妃ネフェルタリのために建造した岩窟神殿で、正面にはラムセス2世の立像4体とネフェルタリ2体が並び、彼らの子供の像が足下に刻まれている。
内部の列柱室には、ハトホル女神のレリーフの彫られた柱があり、そして王妃の彩色レリーフ(右写真)が壁面を飾っていた。
アスワン
アブ・シンベルを後に、再び空路、約284km北にあるアスワンに向かう。
アスワンは人口15万を擁するエジプト南部の中心地である。
一番左の写真はナセル湖で、1964年に完成したアスワン・ハイダムにより出来上がった人造湖である。面積は約5000kuで、琵琶湖の約7.5倍、貯水量は1570億立方メートルに及び世界弟2位とのこと。全長は約500kmで、南側の150kmはスーダン領に入っているという。なお、幅は平均で 10km、最大で30kmあるとか。
中央写真は、切りかけのオベリスクで、長さが約42mもある赤色花崗岩製のもの。岩の亀裂が原因で切り出しが中止されたらしい。全重量は1152トンと推定され、今に知られるどのオベリスクよりも大きいという。
右写真は、アスワンのナイル川を滑走するファルーカで、ナイル川観光に使われているもの。
実際に夕刻この舟に乗り、1時間ほど観光したが、その間、船頭が歌や踊りを教えてくれ、最後には皆が輪になって踊りだすなと、アスワンの美しい夕日と相まって、楽しい思い出の一コマとなった。
ナイル川観光後、市内のレストランで夕食をとり、この日はアスワン泊まり。