第5日目
(1月16日)
ナイル川流域遺跡
アスワンを後に、ナイル川沿いに北上し、ルクソールに向かう道すがら、コム・オンボの神殿、エドフのホルス神殿、エスナのクヌム神殿の3遺跡を観光した。
最初に訪ねたのは、アスワンから北46km、ナイル川東岸の町コム・オンボにあるコム・オンボ神殿。
神殿はナイル川に突出した丘の上にあり、巨大な外壁に囲まれ、門がナイル川に面している。
現在の神殿は、かつてトトメス3世時代のワニ神の神殿をプトレマイオス朝時代に建て直したものとか。
この神殿の特徴は、二つの神殿を合わせた二重構造になっていることで、右手には創世神としても信仰された豊饒神セベック、左手には戦いの神である太陽神ホルスが祀られているという。
コム・オンボを後に北上すること約60km。エドフのホルス神殿に着く。
この神殿は、エジプトの数ある遺跡の中で最も保存状態のよい大きな遺跡であるとか。
やはりプトレマイオス朝時代のもので、半分の高さまで壁に繋がっている円柱や、外壁のレリーフが印象的であった。
また内部では、第1列柱室にある柱の上部のパピルスをモチーフにした装飾や、誕生殿のホルス神が母ハトホル神の乳を飲んでいるレリーフなどが興味を引いた。
更に50km北上し、着いたところがエスナのクヌム神殿。
プトレマイオス朝からローマ支配時代にかけて建設され、現在は列柱室の建物を残すのみだが、13.3mの高さの24本の柱は完全な形で残っている。
この最大の特徴は、柱頭に彫られた様々な花をモチーフにした装飾にあるという。
それにしても、同じ時代に建てられただけあって、外観がエドフのものとよく似ていた。
さて、ルクソールには15時過ぎに到着し、ホテルで休息後、夕方、カルナク神殿の「音と光のショー」に出かける。
これは、毎日、日没後に実施される約90分のショーで、神殿や彫像に照明を当てながら、エジプト学の研究史や、エジプトの歴史を多くの登場人物に語らせる形式のもの。
観客は、案内に従って、いくつかのスポットに誘導される。
ちょうどこの日は日本語バージョンでの説明があったが、歴史を知らないと理解が難しいことばかりで、美辞麗句の類ばかりが耳に残った。
それにこのカルナク神殿は明日観光することになっており、観光後であったなら、もっと理解しえたと思うが、残念ながら、明日の夜は日本語バージョンでの説明はないので、今夜になった次第。
この日は、ホテル帰着は21時をまわり、遅い夕食となった。