第9日目
(11月9日)
パクセー → コーン島
朝食後、今夜はコーン島に泊まるため、スーツケースはボートに積みきれないということで、明日の機中泊を含め、2泊分の着替えなどを携行し、8時50分にホテルを出発。
昨日と同じく2台のマイクロバスに分乗し、一路メコン川沿いに南下、ラオスの最南部、カンボジアと国境を接するシーハン・ドーンへ向かいました。
約2時間の走行で、ピャンディーというボート発着場に着きました。
このあたりのメコン川には数千もの島々が点在し、その間を縫うように滝が形成されているところです。
シーハンとは4000の、またドーンとは島の意で、島の数は4000にもなるといわれているため、このエリアを総称して、シーハン・ドーンと呼ぶのだそうです。
まずは救命胴衣を着けて6人乗りの細いボートに分乗し、コーン島に向かいました。船体があまりに細いので、一人でもちょっと体を動かすと横にゆれ、最初は怖かったです。
実際、横揺れに弱いと、乗らずにその場に留まり、待っていた人も二人ほどいたほどです。
さて、ボートで進むこと25分、コーン島の北端部分に到着、直ちに軽トラックやバイクに分乗し、目的場所のソンパミットの滝に向かいました。
私はバイクの後ろに乗りましたが、初めての経験で、しかもでこぼこの多い未舗装道路を走るので、慣れるまではやはり怖かったです。
ソンパミツトの滝は高さはさほどではありませんが、流れが2方から来ており、それが複雑に絡み合ってひとつの滝つぼに落ち込んでいるため、精霊が住んでいると言われているそうです。
結構迫力ありましたよ。どうぞ拡大してみてください。とくに左端の写真からは滝の音が聞こえてくるような気がしませんか。
さて、再びバイクとボートを乗り継いで、ピャンディーに戻り、待っていた二人と合流し、そこのターミナル・レストラン(とは言っても高床式の小屋ですが---)で昼食をとりました。
余談ですが、ここでラオスに来て初めて猫を見ました。やせて小さな猫でした。ラオスではネズミが殆どいないので、猫を飼う習慣がないそうです。逆にヘビが多いということも猫の淘汰に拍車をかけているのかもしれません。
昼食後、車で15分ほど更に南下し、本土側からメコン川を流れ下るコーンパベンの滝を観光しました。
ここは、数あるコーンの滝の中で最大かつ最も迫力のある滝で、その規模は高さ15m、幅300mという話でしたが、今は乾季のせいか、部分的には午前中のソンパミットの滝のほうが迫力を感じました。
しかし、これが雨季には水の青さに深みがかかり、迫力も倍増するとか。
そして、まさにメコン川の一部をなすこの滝が、ラオとクメールの文化の分水嶺になっているとのことです。
コーンパペンの滝を観光後、車で約20分ほど来た道を戻り、ハートサイクンというボート発着場からまたもボートに分乗し、コーング島に渡りました。
この島は、4000といわれるコーンの島々の中でも最大の島(南北20km、東西8km)で、コーン観光の基点ということです。
航行すること約10分で、宿泊ホテルの「SALA DONE KHONG」の真下に着きましたが、ここはホテルの私設発着場でした。
そのため、梯子をよじ登っての上陸を余儀なくされ、一歩でも足を踏み外したら大変なことになるところでした。
ホテルは木造2階建で、私の部屋は1階でしたが、2階の人が歩くとガタピシと音がし、声も筒抜けで、ま、木賃宿並みといったところでした。電気はありましたが薄暗く、テレビはもちろん風呂もなく、シャワーのみでした。5日目の晩に泊まったホテルよりもお粗末でしたが、まさにラオスに来たんだ、と更に実感した次第です。
ここでも全員は泊まれず、6人ほどは別ホテルを割り当てられていました。
到着が早かったので、1時間ほどホテルの周りをのんびりと散策しました。
こんな田舎には珍しい煌びやかな仏像のあるお寺、川で洗濯する女性、道路際で草を食む牛などのほか、ヨーロッパからの旅行者の姿も数人見られました。
ホテルに戻り、シャワーを浴び、着替えを済ませ、少し早めに食堂棟の前に行くと、中年の外国人カップルが椅子に座って一休みしていました。
聞けば、ドイツのミュンヘンから来たとか、これからカンボジアへ向かう由。ここののんびりした風情が非常に気に入っているようでした。日本では京都に興味あり、いずれ行ってみたいなどと話してくれました。
この夜は、夕食後は何もすることがなく、早々と20時に就寝し、明日の英気を養うことにしました。