コバドンガ
フュンテ・デを後にカンタブリア地方に別れを告げ、アストゥリアス地方に入り、まずは歴史上重要な場所のひとつであるコバドンガにて下車しました。
この町は背後にピコス・デ・エウロパの山々が連なる緑深い静かな谷間にあります。ここは722年頃、それまでこの地方を支配していたイスラム教徒軍に対し、キリスト教徒軍が戦いを挑み、これに勝利してこのアストゥリアス地方を再びキリスト教徒が治める国にしたという、いわばスペイン・レコンキスタの源となったところです。
そのため、この町には数々のモニュメントがありますが、ここではそのうち、二つほどご紹介しましょう。
聖なる洞穴(サンタ・クエバ)
この洞穴は、レコンキスタの戦いで勝利をもたらしたとされる「戦闘の聖母」を称えて設けられたもので、18世紀の木像の聖母マリアのほか、アストゥリアス地方の守護聖人として厚く尊宗されているサンティナの像も納められています。
またその傍らには、レコンキスタの英雄で、初代国王に選ばれたペラヨとその娘婿ノアルフォンソ1世の墓もあり、つわものどもの夢の跡として、我々が訪ねた時も、多くの参詣客で賑わっていました。
バシリカ聖堂
ネオ・ロマネスク様式のどっしり威厳に満ちた建物で、1886年から1901年にかけて建造されたとのこと。内部には、平日だというのに、多くの信者が参拝しており、この地の信仰の高さが窺えました。
まだ教会前の広場には、勝利の十字架をいただく英雄ペラヨの彫像があり、この人に対する人々の崇拝の度がいかに高いか、分かるような気がしました。