第4日目(2)
( 5月27日)
ティベリア→タプハ→カベナウム→ゲネサレ→クムラン→エン・ボケック
11時17分、カベナウムを後に、ガリラヤ湖沿いに来た道を10分ほど戻り、ゲネサレで下車。小憩の後、船発着場からボートをチャーターしてガリラヤ湖のクルーズに出発する。このボートはイエスの時代の船をモデルに約2倍の大きさに造ったもの。日本人客へのサービスとして日の丸を揚げてくれた上、君が代まで流してくれたのにはびっくりし、感動的ですらあった。暑さで辟易していたところだけに、ゆったりと風を頬に感じながらゴラン高原など湖面からの風景を楽しみつつ寛いだ30分であった。
それでは、右の写真をクリツクされ、湖面からの眺めなどを連続写真でご覧いただきたい。
さて、下船後は湖岸にある博物館を見学したが、開館してまだ日が浅いとみえ、展示物に特に興味を惹くようなものはなく、ただいたずらに館内を歩きまわっただけであった。ただ一つ目を惹いたのは、20年前、約2000年ぶりに引き上げられたという古代の舟。木造で傷みが激しいものの、ほぼ原型を留めているのにはびっくり。その形状からしてカヌーであろうか。それにしても2000年前のものがよく朽ち果てしまわなかったものである。
なお、この古代木舟の詳しい説明はこちらへどうぞ。
次いで、マグダラの町に移動し、12時50分、タヌリーンという小さなレストランでようやくランチタイムとなる。水はサーブされそうもなかったので、飲物にレモネードを注文したが、皆が注文し終わった後に水が出てきた。このあたり、ユダヤ人の商魂というべきか。メニュは、アラブ風前菜に続き、ガリラヤ湖名物のセントピータースフィッシュがメインで出た。なぜ、聖ペテロの魚というのか聞きそびれたが、日本の鱒に似た淡白な味のする魚であった。
13時47分、ガリラヤ湖畔を更に南下した後、ガリラヤ地区に別れを告げ、ヨルダン川沿いに次の宿泊地、死海沿岸へと向かう。途中、旧ヨルダン領のパレスチナ自治区を抜け、エリコの町付近を通ったが、今は平穏そのもの、ガイドに言われて初めて知ったほどで、まったく緊張感はなかった。
クムラン
15時35分、死海北西端に接する遺跡、クムランに到着する。
ここは、BC2世紀末から住み始めたクムラン教団(エツセネ派)と呼ばれるユダヤ教徒の一派が共同生活を送っていた要塞跡である。この遺跡が有名になったのは、1947年にベドウィンの羊飼いの少年によって洞窟の中から紀元前に書かれた「イザヤ書」「旧約聖書」などの膨大な巻物写本の入った壷が発見され、その後も次々に同種の古代写本が周辺の洞穴群から発見されたためである。
現在までに500以上の写本の巻物が11の洞窟から発見されており、また、これら写本の発見に伴い、それらの所有者であったと思われる「クムラン教団」の古い要塞跡からは厳格な規律に従った往時の共同生活の模様が明らかにされつつあるという。
ビジターセンターの館内でビデオ鑑賞後、外に出て、遺跡内を貯水槽・見張台・風呂場・食堂跡などをまわること、約1時間20分、最初のうちはガイドの説明を真剣に聞いていたが、あまりの強烈な暑さに辟易し、途中からはどうでもよくなってしまった。勿体ないことであった。
ちなみに、上の写真で左が数多くの壷が発見された洞窟で、右側のが複製された壷である。
そのほかの遺跡の状況については、ここをクリツクされ、スライドショーでご覧いただきたい。
さて、クムランでの観光を終え、16時50分、今夜の宿泊地エン・ボケックに向け出発する。
死海を左に見ながら一路南下、エン・ボケックも死海沿岸にあると聞いていたので、もう着くかもう着くかと思ったが、一向に着きそうにない。それもその筈、死海は南北に78kmもあり、エン・ボケックはそのほぼ南西端に位置しているので、北から南の全長近くの距離を走っているわけで、時間がかかるはずである。
遥か対岸はヨルダン領で、10年前はあちらの沿岸を通ってペトラへと向かったことを思い出す。
と、途中、右手の高い丘の上に明日行く予定のマサダ要塞跡が見えてきたと思ったら、その反対側の死海が乾いた土地で2分されているのに気がついた。ガイドの説明によると、これは近くに工場があって、そこが死海の水からミネラル分を抽出しているために干上がったとのこと。こういうことは来てみて初めてわかることである。だから旅は止められない?
なお、死海の詳細についてはこちらをどうぞ。
17時40分、ようやくエン・ボケックのホテル「クラウン・プラザ」に到着、と思いきや、出入り口近くに車が多数駐車し狭くなっている上に、一台がカーブ際に駐車していたため、ドライバーはそれをよけるのに一苦労、15分近くも格闘の末、やっと抜け出せた時は、皆思わず拍手したほどだった。
さて、このホテル、オープンして7年になるとのことだが、プライベートビーチを持つ大きなホテルで、すべての部屋がオーシャンビューになっていて眺めも良い。眼下には、真水を湛えた大きなプールもある。ただ、既に18時を過ぎており、湖、プールとも人影はまばらであった。
19時から、例によってビュッフェの食事。連泊なので、みんな心に余裕が出たせいか、いつもより話が弾んだように思われる。明日の浮遊体験も楽しみである。
帰室後は、連泊に備え、荷物の整理をした後、入浴し、22時05分、床に着いた。
(本日の歩数 14391歩)